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林 香苗; 立花 道則*; 田中 義則*; 岡村 誠三*
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 19, p.1571 - 1576, 1981/00
これまで触媒重合では得られなかったブタジエンと塩化ビニルの共重合体が均一系の放射線重合により得られた。共重合反応パラメーターはr=0.10、r=0.02(M=ブタジエン)であり、生成物の平均分子量は反応条件により1000~2500の範囲で変化した。
林 香苗; 田中 義則*; 岡村 誠三*
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 19, p.1435 - 1443, 1981/00
ブタジエン塊状重合は非常に広い線量率範囲にわたりカチオン機構のみによることがわかった。 生成物の数平均重合度は42、二重結合の残存率は83%でありトランス77%、ビニル23%、シス0%であった。 反応収率が10%をこえるとゲルが生じ始めるがポリマー中の二重結合の残存率は変化しなかった。 このことから重合、環化、架橋の三つの反応が同じカチオン種により相互に関連を持ちながら進行していると推論され反応機構が提案された。
林 香苗; 香川 一典*; 岡村 誠三*
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 19, p.1977 - 1984, 1981/00
種々の溶媒中でブタジエンの電子線重合を行い、n-ヘキサン中では重合速度、生成物の数平均分子量は塊状重合の値の8割程度となるが、比較的高収率(~40%)まで架橋していないポリマーが得られることがわかった。 反応はカチオン機構で進行し、生成物のミクロ構造は塊状重合の場合とほぼ同じであった。 ヘキサン溶液では塊状の場合とくらべて分子内環化が生じやすく、一方架橋はおこりにくいことがわかった。 溶液重合におけるモノマー濃度と重合速度の関係を説明するための動力学式を提案し、実験結果とほぼよい一致を見た。
林 香苗; 立花 道則*; 岡村 誠三*
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 18, p.2785 - 2791, 1980/00
液体ポリブタジエンのn-ヘキサン溶液での電子線照射効果を-10Cでしらべた。照射によりポリマーの架橋と環化反応によるポリマー中の二重結合の減少が並行しておこった。これらの反応がDPPHあるいはトリエチルアミンの添加により抑制されたことより、ラジカル,カチオン両機構共に寄与していることがわかった。
大道 英樹; 吉田 健三; 鈴木 和弥; 荒木 邦夫
J.Appl.Polym.Sci., 22(12), p.3387 - 3395, 1978/00
被引用回数:1ポリ塩化ビニール(PVC)は汎用樹脂として広く使われているが、耐衝撃性の低い点が一つの欠点とされている。耐衝撃性を改良する一般的な方法はゴム状物質のブレンドであるが、PVCとゴム成分との化学結合を付与することによってさらに十分な衝撃強度を与える。我々はPVCに対するブタジエンを放射線グラフトして、PVCにゴム的性質を付与することを試みた。グラフト率と共に衝撃強度が増大し、約15%のグラフト率のものでは衝撃強度が原料PVCの約70倍に達した。シートに成形したグラフト物の電子顕微鏡撮影の結果、0.1~1のポリブタジエン相がPVC相中に存在し、印加された衝撃を吸収することがわかった。ブタジエンだけグラフトしたものでは耐候性が不十分であったが、長鎖のエステル基をもつアクリレートまたはメタクリレートをブタジエンと共グラフトすることによってこの欠点を解決できた。
大道 英樹; 吉田 健三; 鈴木 和弥; 荒木 邦夫
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 16(11), p.2875 - 2884, 1978/00
ポリ塩化ビニール(PVC)に対する放射線グラフと重合は種々試みられている。特にブタジエンをグラフトすれば容易に耐衝撃性のあるPVCが得られることがわかったが、この反応プロセスを工業化するには至っていない。その一つの原因はこの反応に対する基礎的知見の不足にある。そこで本報告では、この反応に対する速度論的検討を行った。PVC粉末に対するブタジエンの吸着量の測定とグラフト反応速度の測定から、吸着が反応の律速段階にはならないと判断した。反応速度は温度、線量率の影響を受け、また反応時間と共に変化して極大値をもつことがわかった。これらの影響を定量的に扱うため、素反応の解析を行って生長反応、停止反応の速度定数を求めた。Kpと温度との関係から生長反応の活性化エネルギーは16kcal/moleと求められた。線量率Iとの関係では、kpががIの0.42乗、kp8〔Z〕(Zは反応を停止させるラジカルなど)がIの0.84乗に比例することがわかった。
大道 英樹; 吉田 健三; 鈴木 和弥; 荒木 邦夫
Radiation Physics and Chemistry, 11, p.327 - 334, 1978/00
ポリ塩化ビニル粉末に対するブタジエンガスの放射線グラフト重合プロセスを開発し、得られた成果をとりまとめた。反応容器の選定にあたっては、構造が単純であること、グラフトポリマーの生産量が大きいことに着目し、撹拌式移動層反応機を用いることにした。反応機の内部にコバルト60の線線源を挿入し、線源の有効利用をはかった。反応機内の線量率分布のシミュレーションを試み、計算値と実測値がほぼ一致することを確かめた。反応機内粉体層の半径方向の温度分布はほぼ均一であった。これは半径方向に粉体を撹拌したことによると結論した。反応機内のグラフト率分布を測定したところ、対数正規確率分布に従っていることを見出した。この反応機で得られたグラフト物の物性を明らかにするとともに、プロセスの経済的評価を試み、工業化するのにふさわしいプロセスであることを明らかにした。
吉田 健三; 荒木 邦夫
JAERI-M 6784, 26 Pages, 1976/11
ポリ塩化ビニル粉末にブタジエンガスを流通しながら、線を照射する事により、グラフトポリ塩化ビニルが得られる。この樹脂は、市販の耐衝撃ポリ塩化ビニルよりも優れた耐衝撃性を示す。従って、製造コストが低ければ工業化の可能性が生ずる。コスト計算は、まず1968年に建設したパイロットプラントを基準にして行ない、グラフト率8%の製品について185円/Kgを得た。次いでその規模を10倍にした装置を想定し計算した処,115円/Kgとなった。市販の競合品、例えば、ABSをブレンドしたPVCでは製品の最低コストは107円/Kgとなり、放射線法のものより若干安い。製品のグラフト率を5%に止めると同一のプラントでの生産速度は約1.5倍に上昇する。このグラフト物に約5重量部のポリエチレンをブレンドするとほぼ同等の耐衝撃性が得られる。この方法で作った耐衝撃ポリ塩化ビニルのコストは105円/Kgとなり、競合品と十分競争出来るようになった。
大道 英樹; 吉田 健三; 鈴木 和弥; 後藤田 正夫; 荒木 邦夫
JAERI-M 6593, 34 Pages, 1976/06
粉末ポリ塩化ビニルに対するブタジエンガスの放射線グラフト重合反応装置として流動層を用い、反応温度、線量率、ブタジエン吸着量の反応速度に対する影響を調べたところ、(1)みかけの反応の活性化エネルギーは3.0kcal/molであること、(2)反応速度は線量率の0.6乗に比例すること、(3)予めブタジエンを吸着させると、照射開始と同時にブタジエンを流す場合に比べ、高いグラフト率の得られること等が明かになった。これらの結果に基き、この反応の工業化の可能性を検討するため、反応ガスによる比例温度制御方式を用いた流動層反応装置により、温度制御、流動化条件、熱稼動、反損失等について予備的考察を行なった。次いでこの制御方式により、内径5.5cm、高さ15cmの流動層反応装置と、内径9.5cm、高さ32cmn流動層反応装置を制作してグラフト反応を行ない、温度制御の可能性を検討したところ、小型装置では十分制御できるか、大型装置では制御が難しいことがわかった。
吉井 文男; 早川 直宏; 阿部 俊彦
高分子論文集, 32(12), p.717 - 723, 1975/12
被引用回数:4広幅NMRにより尿素包接化合物中の1.3-ブタジエン(BD)の放射線後効果重合(包接重合)について検討した。得られた結果は前報のアクリロニトリル(AN)および塩化ビニル(VC)の包接重合と対比して考察した。BDは尿素と1:4のモル比で包接化合物をつくる。尿素包接化合物中のBDには、ANやVCに認められないきわめて運動しやすい成分があり、他のBDの線幅はすべての温度域でVCの場合より広い。尿素の線幅はVCのときよりも低温側から減少する。重合は-78C付近から顕著に起り、20Cでは全BDが包接化合物中で重合する。重合中はANやVCの場合と同様に包接化合物に生成した活性中心へモノマーが移動して重合する。カナルの尿素はポリマーになった周辺の尿素が崩れながら進行するANやVCの包接重合と異なり、常に尿素のカナルは保持されたまま重合が進行し、ポリブタジエン-尿素包接化合物になる。その構造は六方晶系で、a=8.21の値を得た。
鈴木 和弥
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 11(9), p.2377 - 2381, 1973/09
コバルト60線前照射したポリ塩化ビニルへのブタジエンのグラフト共重合について、ESR測定を行った。反応中間体は、ブタジエンのアリル型ラジカルであり、そのスペクトルは、グラフト鎖が成長するにつれて、また温度が高くなるにつれて、鋭くなり、グラフト鎖の成長点の運動状態をよく反映している。
萩原 幸; 岡本 秀正*; 鍵谷 勤*
工業化学, 74(7), p.1466 - 1469, 1971/00
塩化メチレン,クロロホルムあるいは四塩化炭素を溶媒とし,1,4-cis-ポリブタジエンと各種含塩素化合物(五塩化リン,塩化スルフリル,N,N-ジクロル-nーブチルアミン)との反応を熱および線の照射によって行なった。五塩化リン,塩化スルフリルとの反応では,二重結合への塩素付加反応のほかに,溶媒の種類に無関係に橋かけ反応が起こり,ゲル状物が得られた。一方,N,N-ジクロルーn-ブチルアミンとの反応においては,いずれも橋かけ反応は起こらなかった。しかし,四塩化炭禁中で生成したポリマーはゴム状で,重量増加はわずかしか認められなかったのに対し,塩化メチレンあるいはクロロホルムを用いた場合には,ポリマーは白色粉末状で,その重量は約2.4倍になった。この白色粉末状ポリマーはポリブタジエンの二重結合に塩素が100%付加したものであることがわかった。また,反応時間の経過につれて,メチレンプロトンも塩素化されることがわかった。